2018年01月13日
Chillington Tool ARPAX Hand Axe
英国の老舗工具メーカーであったChillington Tool(チリントン・ツール)社製“ARPAXハンド・アックス”です。
ARPAXは1930年代後半に開発された片手で扱えるサイズの小型のハンド・アックス(ハチェット)で、刃体を含めて全体的なデザインは、北米インディアンの伝統的な手斧であるトマホーク系統のデザインを踏襲しています。
製品名に冠された“ARP”は、1937年の英国において設立された民間防衛組織であるARP(Air Raid Precautions:空襲警戒)の頭文字です。
ARPはボランティアの民間人によって構成され、戦時中の空襲警報の発令と避難誘導、爆撃によって生じた負傷者の救助、応急手当、消火活動などを主要任務としていました。なお、ARPは組織拡大に伴い、1941年にCD(Civil Defence Service:民間防衛サービス)に改称し、 消防活動にあたるAFS(Auxiliary Fire Service:予備消防)と後身組織であるNFS(National Fire Service;国家消防)に所属する消防隊員をはじめ、延べ190万人を超える人々がCDの活動に参加し、その活動中に約2,400人が命を落としています。
戦時中、AFSやNFSの消防隊員は、ベルトに備えたレザー製のホルスターにARPAXを吊り下げ、人命救助・消火活動に活用しました。 ARPAXの最大の特徴は、同社が特許を取得した硬質のラバー製グリップにあります。従来の伝統的な木製グリップに比べ、ラバー製グリップは耐火性能と耐久性能に優れており、さらに高い絶縁性によって2万ボルトまでの耐電性能を有していました。これは爆撃後の倒壊家屋において救助活動を行う際、誤って通電中の電線を切断して感電する危険性を減らす目的があります。
後にARPAXハンド・アックスの改良型は、RAF(英国空軍)航空機のコックピットに積載され、機外脱出用のサバイバル・ツールとしても長年にわたって採用されました。さらに1970年代、英国陸軍所属特殊部隊のSAS(Special Air Service:特殊空挺部隊)に新設された対テロ特殊作戦を専門とするCRW(Counter Revolutionary Warfare:対革命戦)中隊において、 屋内突入時のエントリー・ツールとしてARPAXハンド・アックスが採用され、同部隊では木製グリップ型と本稿で紹介するラバー製グリップ型の2種類の運用が確認されています。
本品の詳細な解説は“日本警察特殊部隊愛好会(JP-SWAT)> 装備資機材>ヘルメット>チリントン・ツール ARPAX ハンド・アックス”をご覧ください。
古い製品となるため刃体に若干のサビが浮いていますが、目立った破損は認められず、研磨等の手入れを施せば実用に耐える状態です。
保管場所 「A」
品名 「SAS CRW チリントン・ツール社製 ARPAX ハンドアックス」
状態 「中古」
数量「1」
開始価格 「9,800円」
日本警察特殊部隊愛好会(JP-SWAT)
架空私設特殊部隊 Team JP-SWAT
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