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Posted by ミリタリーブログ at

2016年07月23日

最近の陸上自衛隊普通科隊員装備 #01

陸上自衛隊 普通科隊員の個人装備



先日、一般公開された護衛艦「せとぎり」ネタ第3弾でございます。

今回はもはや海自は関係なく、埠頭において展示を行っていた陸上自衛隊にフォーカスをあてたいと思います。

当日は陸上自衛隊新発田駐屯地に所在する第12旅団隷下の第30普通科連隊から、高機動車、軽装甲機動車、82式指揮通信車、偵察オートバイが出張展示を行いました。

また、防弾チョッキや88式鉄帽などの個人装備の試着体験ブースなども開設。

装甲車の前には、完全装備の普通科隊員の皆様が並んでおり、見学者からの質問や記念撮影などに快く応じてくれました。

中でも気合の入った装備を身にまとう隊員さんに注目し、個人装備を紹介したいと思います。



陸上自衛隊 普通科隊員の個人装備
▲戦闘装着セットの普及が本格化した20年ほど前に比べ、普通科隊員の個人装備の様相は大きな進化を遂げており、海外派遣や米軍との共同訓練などを通じ、先進各国の歩兵装備に比肩する実戦的なブラッシュアップが見て取れる。





陸上自衛隊 普通科隊員の個人装備
▲旧来の66式鉄帽の後継として、1988年に制式採用された国産の軍用バリスティック・ヘルメットである88式鉄帽。旧来の66式鉄帽が合金製だったのに対し、当時米軍で採用されたばかりの次世代軍用バリスティック・ヘルメットの先駆けであるPASGT(地上部隊個人防護システム)ヘルメットに倣い、88式鉄帽も防弾繊維を合成樹脂で積層加工した軽量な複合素材で成形されている。PASGTヘルメットに比べ、後頭部や側頭部が浅めなのが外観上の特徴だ。2013年ころからは帽体の形状はそのままに成形素材の軽量化を図り、2点式であった顎紐を安定性の高い4点式に変更するなどした改良型の88式鉄帽2型が配備されている。特徴的な4点式顎紐から本品も一見すると改良型の2型に見間違うが、支給の開始されたばかりの2型の更新速度は遅く、当分の間は一線部隊でも従来型が主力となる本品も従来型の2点式顎紐を隊員が個人的に購入した市販品の4点式顎紐へ換装し、快適性を高めたカスタム品だ。




陸上自衛隊 普通科隊員の個人装備
▲88式鉄帽に並び、戦闘装着セットの中核であった戦闘防弾チョッキの第三世代である最新の防弾チョッキ3型を着用し、その上から私物のチェストリグを装着している。2014年ころから配備の開始された防弾チョッキ3型は、陸上自衛隊のイラク派遣を契機に製作された防弾チョッキ2型の次世代型であり、モジュラー・ウェビング・システムの改良や軽量化など快適性の追求をはじめ、先進各国で採用されている軍用ボディーアーマーに倣った実戦的な改良が施されている。



陸上自衛隊 普通科隊員の個人装備
▲両肩部分には滑り止め加工の施された特徴的なショルダーパッドが装備され、銃床を肩付けした際に銃床を固定する。小型のストッパーも設けられている。国章などを貼付するために標準で設けられたベルクロスペースにも注目したい。



陸上自衛隊 普通科隊員の個人装備
▲戦闘服は支給の迷彩服3型ではなく、米軍などで普及しているタイプの私物の新迷彩柄コンバットシャツであり、通常の戦闘服に比べて通気性や発汗性に優れているため、ボディーアーマー着用時の快適性が高いのが特徴だ



陸上自衛隊 普通科隊員の個人装備
▲防弾チョッキ3型の背面には、米軍などで採用されている背負い式のハイドレーション・システムを携行している。従来の水筒に比べ、給水チューブを利用することで戦闘状況などの高リスク環境下でも迅速な水分補給が可能だ



陸上自衛隊 普通科隊員の個人装備
▲グローブは米軍など欧米のタクティカルユースで愛用者の多いMECHANIX WEAR(メカニックス・ウェア)製だ。元々はカーレース向けの作業用グローブであったが、保護性能を維持しながら繊細な作業を可能とする素肌に近いフィット感やフィーリングの高さを有しているため、軍事や産業など分野を問わず様々な業種に普及している



陸上自衛隊 普通科隊員の個人装備
▲チェストリグの前面に装着されている弾倉ポーチは、PPM(パトリオット・パフォーマンス・マテリアル)社製だ。モジュラーポーチの装着に対応した防弾チョッキ2型や3型が全面普及したにも関わらず、なぜチェストリグを愛用する隊員が多いのかは、実のところ事務的な理由が強いようだ。個人貸与された他の個人装具と異なり、防弾チョッキは火器類と同じ部隊での定期的な員数点検が義務づけられている一括管理品扱いであるため、訓練終了後は防弾チョッキを保管庫に格納しなければならない。このため、個人がいつでもポーチ類を自由にセットアップでき、訓練時に防弾チョッキの上から簡単に重ね着できるチェストリグの愛用者が多いのだという。



陸上自衛隊 普通科隊員の個人装備
▲携行している弾倉は、89式小銃の標準弾倉ではなく、米軍に支給されているものと同じSTANAG弾倉である。89式小銃は米軍との相互運用性を考慮してNATO標準のSTANAG弾倉の運用が可能な設計だが、米軍支給のSTANAG弾倉がアルミ製のため軽量で錆びにくいのに対して、89式小銃の標準弾倉はスチール製で強度は高いが重量もあり錆びやすいため、近年は米軍との共同訓練などで入手したSTANAG弾倉を代替品に利用する隊員が多いようだ。



陸上自衛隊 普通科隊員の個人装備
▲ライトポーチには、タンカラーのLEDライトであるSUREFIRE社製G2Lが収納されている。



陸上自衛隊 普通科隊員の個人装備
▲米海兵隊に支給されているモデルと同じタンカラーのCSM社製ダンプポーチ。



陸上自衛隊 普通科隊員の個人装備
▲アイウェアは米軍でも愛用者の多いRevision Military(レビジョン・ミリタリー)社製。



陸上自衛隊 普通科隊員の個人装備
▲フットウェアも支給品の半長靴ではなく、より機能性が高く履き心地のよい私物のジャンブルブーツだ。



陸上自衛隊 普通科隊員の個人装備
▲自衛隊初の国産装輪装甲車である82式指揮通信車(CCV)。普通科連隊では本部管理中隊に配備されている。



陸上自衛隊 普通科隊員の個人装備
▲歩兵機動車の一種であり、普通科部隊の足となる軽装甲機動車(LAV:Light Armoured Vehicle)。上部ハッチのターレットに設けられた防楯付き銃架には、分隊支援火器である5.56mm機関銃MINIMIを装着運用することが可能だ。また、上部ハッチからは普通科中隊の対戦車小隊等に配備されている01式軽対戦車誘導弾(LMAT)の射撃運用も行える。




第30普通科連隊の皆様、当日は終始ご丁寧に対応して頂き、ありがとうございました。

皆様のご健勝とご活躍をお祈りしております。

それでは!




イベントの詳細は、自衛隊新潟地方協力本部のウェブサイトをご覧ください。


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