2018年09月26日
B&T Mid Range Mount - Short for HK MP5 BT-21256-3

軍・法執行機関向け銃器カスタム・パーツの製造で有名なスイスに拠点を置く銃器関連製品メーカーであるB&T(Brügger & Thomet)AG社製のMP5サブ・マシンガン専用ミッド・レンジ・マウント - ショート(B&T Mounting Rail NAR Mid Range Mount - Short MP5 & HK 33 & 53 / Part No. BT-21256-3)です。
近年、同社はサウンド・サプレッサーなどのカスタム・パーツ分野だけでなく、その経験を活かして独自設計したAPC(Advanced Police Carbine)シリーズをはじめとして、軍・法執行機関向けの銃器製造にも力を注いでおり、その事業規模を拡大しています。

B&Tでは各国の軍・法執行機関で採用率の高いMP5シリーズをはじめとしたH&Kウェポン向けマウント・レールやハンドガード、ショルダー・ストック、サウンド・サプレッサーなどの周辺カスタム・パーツを多数ラインナップしています。

B&Tが提供する“B&T H&Kウェポン・マウンティング・レール”シリーズでは、MP5サブ・マシンガン、HK33アサルト・ライフル、G3アサルト・ライフル向けに、顧客の用途に応じてデザインの異なる複数種類のスコープ・マウントを展開しています。

本品はNATO(北大西洋条約機構)において共通化された標準化規格であるSTANAG(Standardization Agreement)のひとつ“STANAG 4694”、通称“NATO Accessory Rail(NAR)”に準拠しています。

STANAGでは1995年に米軍で先行して標準化された“ピカティニー・レール(MIL-STD-1913)”規格を“STANAG 2324”として承認していましたが、同規格はヤード・ポンド法によるインチ規格で設計されていたため、メートル法の単位系を採用する殆どのNATO加盟国において再現性に問題が生じるおそれが指摘されていました。

この問題を解決するため、欧米の主力銃器メーカー(H&K、FNハースタル、ベレッタ、コルト・ファイアアームズ)や大手光学照準器メーカー(エイムポイント)が主体となり、メートル法に準拠して測定値や許容値などを追加再調整された改良型のNARが開発されました。NARは2009年にNATO陸軍兵器グループ(NAAG)の承認を受け、NATO標準化事務所(NTO)に引き渡された後、NATO加盟各国に批准されました。

本品はH&K純正クロウ・マウントと同じ高さの照準線を確保するHKウェポン専用ミドル・レンジ・マウントで、MP5シリーズのほか、同様のマウント規格を有するG3シリーズ、HK33シリーズへの装着運用が可能です。
付属の4個のクロウ・パーツをマウント底部にネジ止めすることで、アッパー・レシーバー上にマウントを固定します。

本体はハード・アノダイズド(硬質アルマイト)表面処理加工が施された軽量なアルミニウム製、銃への固定に用いる強度の必要なクロウ・パーツのみスチール製です。

マウント上部のレール長は110mmを確保しており、一定のマウント長が必要なスコープの装着やダット・サイトとマグニファイア(拡大鏡)の縦列運用などが可能です。
また、同シリーズにはレール長が138mmに延長された派生型であるミッド・レンジ・マウント - ロング(B&T Mounting Rail NAR Mid Range Mount - Long MP5 & HK 33 & 53 / Part No. BT-21298)も存在します。

銃にマウントを装着した状態でもアイアン・サイトの照準線を確保するインテグレーテッド・トンネル機構を採用しているため、マウントに搭載した光学照準器が破損・故障した場合でもアイアン・サイトを用いた継続射撃が可能です。

▲B&T社製ミッド・レンジ・マウント(ショート)を装着したH&K社製MP5A5サブ・マシンガン。標準装備のリトラクタブル・ストックは、折り畳み式のB&T社製アジャスタブル・ヘルメット・ストックに換装され、バリスティック・ヘルメットに装備されたバリスティック・フェイス・シールド越しの精密射撃が可能だ。アッパー・レシーバー上のマウントには、光学照準器として暗視装置との併用に対応したL3 EOTech社製Model EXPS3 HWS(ホログラフィック・ウェポン・サイト)及び同社製Model G33マグニファイア(拡大鏡)が搭載されている。CQBに適したHWSは望遠機能を有せず等倍だが、G33マグニファイアは3倍固定倍率の望遠機能を有しているため、双方を縦列装着することで等倍のHWSに望遠機能を与え、より精密な射撃を行うこと可能だ。G33マグニフィアには可倒式のマウント・システムが搭載されており、マグニファイアを使用しないときは、サイドに倒しておくことができる。B&T社製ミッド・レンジ・マウント(ショート)、同社製アジャスタブル・ヘルメット・ストック、L3 EOTech社製EXPS3 HWS及びG33マグニファイアとMP5サブ・マシンガンの組み合わせは、我が国においても警視庁警備部所属の対テロ特殊部隊SAT(特殊急襲部隊)や埼玉県警察本部警備部機動隊所属の銃器対策部隊RATS(機動戦術部隊)での運用が公開訓練において確認されている。
工場出荷状態のパッケージ入り新品を開封し、無可動実銃への装着と光学照準器の搭載を試したのみです。
取り付け用の金具などの付属品はすべて揃っています。同封のマニュアルは同様の装着機構を有するMP5 ロー・プロファイル・マウント(Low Profile Mount For MP-5 SMG BT-10266)と同じものです。
なお、本体に印字されたB&Tマークは、現行の控え目なデザインではなく、2000年代まで使用されていた文字が大きめの旧デザインです。
東京マルイ及びVFC MP5シリーズなど、マウント・ベース形状が実銃と異なるトイガンには取付けできません。
本体サイズ:全長110mm / 全幅 40mm / 全高 47mm
本体重量:約120g
保管場所 「A」
品名 「B&T社製 MP5 ミッド・レンジ・マウント(ショート) BT-21256-3」
状態 「中古品」
数量「2」
開始価格 「29,800円」
日本警察特殊部隊愛好会(JP-SWAT)
架空私設特殊部隊 Team JP-SWAT
JP-SWAT on YouTube
![]() |

2018年06月02日
B&T Aimpoint Low Profile Mount For MP-5 SMG BT-10266 #02

特殊部隊向け銃器カスタム・パーツの製造で有名なスイスに拠点を置く銃器関連製品メーカー“B&T(Brügger & Thomet)AG”社製のMP5 サブ・マシンガン専用ロー・プロファイル・マウント(Low Profile Mount For MP-5 SMG BT-10266)です。
近年、同社はカスタム・パーツ分野だけでなく、APC(Advanced Police Carbine)シリーズをはじめとして、軍・法執行機関向けの銃器製造にも力を注いでおり、その事業規模を拡大しています。

▲本体はハード・アノダイズド(硬質アルマイト)表面加工処理が施された軽量なアルミニウム製、銃への固定に用いる部品など強度の必要なパーツのみスチール製だ。マウントに刻まれたスロットは1本のみのため、20mm幅のピカティニー規格に対応したマウント・リング1個のみ装着可能で、Aimpoint COMP M2/M3シリーズなどに対応しているが、EOTech社製のHWS(ホログラフィック・ウェポン・サイト)などは装着できない。
B&T社は創設当初から各国の軍・法執行機関で採用率の高いMP5シリーズをはじめとしたH&Kウェポン向けマウント・レールやハンドガード、ショルダー・ストック、サウンド・サプレッサーなどの周辺カスタム・パーツを多数ラインナップしており、世界各国の代理店を通じてHKウェポンを運用する戦術部隊に製品を納入しています。
我が国にも同社の代理店が置かれており、各都道府県警察警備部機動隊所属の銃器対策部隊をはじめ、MP5を大量運用する警察機関において、ライト付きハンドガードやレール・システム、光学照準器用のマウントなど、複数の同社製品の採用が確認できます。

▲接着箇所となるマウント背面の状況。MP5アッパー・レシーバーへの固定は、六角レンチを用いてマウントの背面4箇所に設けられた鉤爪を調整して行う。
本品は薄型で小型軽量なロー・プロファイル・デザインを採用したMP5シリーズ専用マウントで、マウントを装着した状態でも銃に標準装備されたアイアン・サイトによる照準を妨げず、光学照準器を装着しない状態でも射撃が可能です。
MP5シリーズだけでなく、同様のマウント規格を有するG3シリーズ、HK33シリーズへの装着運用が可能です。

現在、同社の製品ナンバー“BT-10266”は、スロット部分などに若干の設計変更が加えられ、Aimpoint社製の小型ダット・サイトである“Micro(マイクロ)”シリーズ専用の新型モデルとなっており、日本警察採用デザインの旧型モデルの製造は終了しています。

▲マウントの取付け手順について記載されたペーパー・マニュアル
2002年のFIFAワールドカップ開催に伴う警備力強化を目的に、警察庁が全国の銃器対策部隊に大量配分したH&K社製MP5サブ・マシンガンは、3発制限点射が可能な3バースト・トリガー・グループを装備し、F(フランス)タイプと呼ばれる厚手のラバーパッドが設けられた新型のリトラクタブル・ストックと大型のフラッシュ・ハイダーを標準装備した当時世界でも最新仕様のMP5でした。
さらに光学照準器であるダットサイト(Aimpoint社製COMP M2)の装着運用を予め想定して初公開の段階から、本品であるB&T社製のロー・プロファイル・マウントを装着した豪華仕様です。
ロー・プロファイル・マウントの大きな特徴は、薄型で小型軽量なデザインの採用により、マウントを装着した状態でも銃に標準装備されたアイアン・サイトによる照準を妨げず、光学照準器を装着しない状態でも射撃が可能なことです。

配備開始から10年以上もの間、運用されていたロー・プロファイル・マウントですが、運用上の致命的な弱点がありました。
それは、日本警察の対銃器事案において運用率の高い防弾ヘルメット装着の防弾バイザーとの併用が困難なことです。
本来、ロー・プロファイル・マウントは本体の小型軽量化だけでなく、照準線を低く抑えて装着した光学照準器と実際の照準線との視差を最小限とし、近接射撃時の命中精度を向上させる役割もあるため、ショルダー・ストックへの頬付け射撃姿勢での運用を前提としています。

しかし、防弾バイザーを使用した射撃姿勢で照準器を覗こうとすると、バイザー下端がストックと干渉するため、照準器を正確に覗くことができません。
実際に過去に公開された銃器対策部隊の対テロ訓練や実弾射撃訓練では、バイザーを跳ね上げた状態で照準を行っています。
これでは、そもそもヘルメットにバイザーを装備している意味がありません。

近距離での戦闘を強いられるCQBでは、致命部位である顔面への被弾リスクが常に付帯します。
対テロ作戦を主要任務とする警視庁SAT(特殊急襲部隊)の公開訓練では、当初からロー・プロファイル・マウントを採用せず、バイザーと併用した射撃が可能なように照準線の高いH&K純正のハイ・マウントを採用しています。
2015年、伊勢志摩サミット開催を目前に公開された警視庁銃器対策部隊の対テロ訓練や実弾射撃訓練において、従来MP5に装着していたロー・プロファイル・マウントの運用を改め、SATで運用しているタイプと同様のハイ・マウントの採用が確認されています。
また、この流れは警視庁から各都道府県警察所属の銃器対策部隊にも拡大しており、順次更新が行われているようです。

さらに2016年3月に公開された埼玉県県警察銃器対策部隊所属RATS(機動戦術部隊)の実弾射撃訓練では、ハイ・マウントに加えて欧州の対テロ特殊部隊でも採用例の多いバイザーの運用に対応したB&T社製アジャスタブル・ヘルメット・ストックの採用が確認され、MP5射撃時におけるバイザー運用のジレンマは大幅に改善されたようです。
本品は中古品です。
実銃専用マウントのため、実銃と規格の異なる遊戯銃へは装着できない場合があります。
なお、一時期“Aimpoint”のロゴが印字されたOEMバージョンのレプリカ品が中華系メーカーより安価で販売されていましたが、トイガン装着向けのレプリカとは異なり、B&T社製の実物マウントはアッパー・レシーバーのマウント・スロット部位形状が実銃と微妙に異なる東京マルイMP5シリーズ及びVFC MP5シリーズなどには装着できません。大手メーカーのトイガンに無加工で装着可能な製品は、レプリカ品の可能性が高いのため、購入の際はご注意ください。
本品ではVFC MP5シリーズに無加工で装着可能なように、マウント接続部に一部切削加工を施しています。
B&T純正ビニール袋に入った取付け用六角レンチ1本が付属します。
本体重量:63g
保管場所 「A」
出品名 「日本警察採用型 B&T MP5 マウント 実物」
状態 「中古(加工済み)」
開始価格 「19,800円」
日本警察特殊部隊愛好会(JP-SWAT)公式サイト
![]() |

2016年11月07日
A.R.M.S. Claw Mount for HK Firearms #01

警視庁SAT(特殊急襲部隊)で現行採用されているA.R.M.S.社製のスコープ用クロウ・マウント(A.R.M.S. #1 H&K G-3/MP-5/91 Scope Mount)です。
同一のマウント規格を有するG3シリーズ及びHK33シリーズ、MP5シリーズなどに対応しており、固定にネジなどを用いない特徴的なクロウ・マウント方式のため、ワンタッチで銃にスコープを装着することができます。
鋼鉄製のマウント重量は350g近くあり、小型軽量なロープロファイル・マウントが主流の現代では非常に珍しくなった旧式マウントですが、日本の警察特殊部隊をはじめ、バリスティック・フェイス・シールドなどの運用上の制約からハイ・マウントを求める一部のタクティカル・ユースでは現在でも一定の需要があります。
余談ですが、東京マルイがG3/MP5シリーズ専用に数年前まで販売していた着脱式のクロウ・マウントは、本家のH&K社製ではなく、このA.R.M.S.社製のデザインをコピーしたものです。

1980年に操業された米国の主要ガン・アクセサリー・パーツ・メーカーのひとつである“A.R.M.S.:ATLANTIC RESEARCH MARKETING SYSTEMS”社は、“S.I.R.(Selective Integrated Rail)”システムをはじめとした最新のレール・システムやアイアン・サイト、スコープ・リング、 マウント・ベース、スペーサーなど、主にM4/AR15ライフル向けの軍用・民生向けアクサリー&アップグレード・パーツの開発製造を行っています。同社が製造したレール・システムが1995年に米軍ミルスペックの“MIL-STD-1913”ピカティニー・レールとして採用されたことは有名です。

本体の鋼材には優れた強度重量比を有するクロムモリブデン鋼(4140低合金鋼)を採用しており、表面には艶消し黒色が特徴的な腐食防止用のパーカ・ライジング(リン酸塩皮膜処理)が施されています。


スコープなどの光学照準器を装着した状態でも近接射撃や器機の故障などに備え、アイアンサイトでも照準が行えるようH&K社製のクロウ・マウントと同じく、マウント内に空洞状のサイト・ラインが確保されています。


光学照準器を搭載するレールとマウント本体の一体化やマウント固定に用いるロッキング・レバー位置の差異などを除き、全体的な本体デザインはH&K社製クロウ・マウントを踏襲しており、銃へのマウント固定方法も同一です。

2002年のFIFAワールドカップ開催に伴う警備力強化を目的に、警察庁が全国の銃器対策部隊に大量配分したH&K社製MP5サブ・マシンガンは、3発制限点射が可能な3バースト・トリガー・グループを装備し、F(フランス)タイプと呼ばれる厚手のラバーパッドが設けられた新型のリトラクタブル・ストックと大型のフラッシュ・ハイダーを標準装備した当時世界でも最新仕様のMP5でした。
さらに光学照準器であるダットサイト(Aimpoint社製COMP M2)の装着運用を予め想定して初公開の段階から、本品であるB&T社製のロー・プロファイル・マウントを装着した豪華仕様です。
ロー・プロファイル・マウントの大きな特徴は、薄型で小型軽量なデザインの採用により、マウントを装着した状態でも銃に標準装備されたアイアン・サイトによる照準を妨げず、光学照準器を装着しない状態でも射撃が可能なことです。

配備開始から10年以上もの間、運用されていたロー・プロファイル・マウントですが、運用上の致命的な弱点がありました。
それは、日本警察の対銃器事案において運用率の高い防弾ヘルメット装着の防弾バイザーとの併用が困難なことです。
本来、ロー・プロファイル・マウントは本体の小型軽量化だけでなく、照準線を低く抑えて装着した光学照準器と実際の照準線との視差を最小限とし、近接射撃時の命中精度を向上させる役割もあるため、ショルダー・ストックへの頬付け射撃姿勢での運用を前提としています。

しかし、防弾バイザーを使用した射撃姿勢で照準器を覗こうとすると、バイザー下端がストックと干渉するため、照準器を正確に覗くことができません。
実際に過去に公開された銃器対策部隊の対テロ訓練や実弾射撃訓練では、バイザーを跳ね上げた状態で照準を行っています。
これでは、そもそもヘルメットにバイザーを装備している意味がありません。

近距離での戦闘を強いられるCQBでは、致命部位である顔面への被弾リスクが常に付帯します。
対テロ作戦を主要任務とする警視庁SAT(特殊急襲部隊)の公開訓練では、当初からロー・プロファイル・マウントを採用せず、バイザーと併用した射撃が可能なように照準線の高いH&K純正のハイ・マウントを採用しています。
2015年、伊勢志摩サミット開催を目前に公開された警視庁銃器対策部隊の対テロ訓練や実弾射撃訓練において、従来MP5に装着していたロー・プロファイル・マウントの運用を改め、SATで運用しているタイプと同様のハイ・マウントの採用が確認されています。
また、この流れは警視庁から各都道府県警察所属の銃器対策部隊にも拡大しており、順次更新が行われているようです。

さらに2016年3月に公開された埼玉県県警察銃器対策部隊所属RATS(機動戦術部隊)の実弾射撃訓練では、ハイ・マウントに加えて欧州の対テロ特殊部隊でも採用例の多いバイザーの運用に対応したB&T社製アジャスタブル・ヘルメット・ストックの採用が確認され、MP5射撃時におけるバイザー運用のジレンマは大幅に改善されたようです。

▲A.R.M.S.社製クロウ・マウントにEOTech社製モデル511 HWS(ホログラフィック・ウェポン・サイト)を装着した状態。警視庁SATなどで運用されている構成だ。

▲A.R.M.S.社製クロウ・マウントは、H&K社製クロウ・マウントと同じく、銃のアッパー・レシーバー上部に加工されたマウント装着用の凹凸部とクロウ・マウントの爪部を咬み合わせて固定する。マウントには脱落防止用のロック機構が設けられているため、スコープなど大型の光学照準器を装着してもロッキング・レバーに触れない限り、外部からの衝撃で脱落する心配は少ない。
本品は中古品として入手しましたが、目立った傷や錆なども見受けられず良品といえる状態です。
VFC MP5シリーズには無加工で装着可能ですが、実銃専用マウントのため、実銃と規格の異なるトイガンへは装着できない場合があります。
本体重量:約350g
保管場所 「A」
出品名 「警視庁SAT採用 ARMS社製 G3/MP5対応 クロウマウント」
状態 「中古」
開始価格 「19,800円」
※上記は保管上の参考事項です。個別販売はしておりません。詳細は当ブログ概要ページをご覧ください。
日本警察特殊部隊愛好会(JP-SWAT)
架空私設特殊部隊 Team JP-SWAT
JP-SWAT on YouTube
![]() |

2016年11月03日
HK Claw Mount with Picatinney Rail German Factory #01

各都道府県警察のSAT(特殊急襲部隊)や銃器対策部隊など日本の警察特殊部隊で現行採用されているH&K社製のスコープ用クロウ・マウント(ピカティニー規格レール・アダプター付き)です。
同一のマウント規格を有するG3シリーズ及びHK33シリーズ、MP5シリーズなどに対応しており、固定にネジなどを用いないH&K独自のクロウ・マウント方式のため、ワンタッチで銃にスコープを装着することができます。
マウントにレール・アダプターを装着した状態では重量が400g以上あり、小型軽量なロープロファイル・マウントが主流の現代では非常に珍しくなった旧式マウントです。

ドイツの著名な大手光学器機メーカーである“Carl Zeiss(カール・ツァイス)”グループ傘下“HENSOLDT(ヘンゾルト)”(2006年に“Carl Zeiss Sports Optics”に改名)社製のZFスコープ(4倍率)などを無加工で装着可能で、また本品のように20mm幅のピカティニー規格レール・アダプターを装着すればダット・サイトをはじめとした最新の各種光学照準器を装着可能です。

スコープなどの光学照準器を装着した状態でも近接射撃や器機の故障などに備え、アイアンサイトでも照準が行えるようH&K社製のクロウ・マウントには、マウント内に空洞状のサイトラインが確保されています。

2002年のFIFAワールドカップ開催に伴う警備力強化を目的に、警察庁が全国の銃器対策部隊に大量配分したH&K社製MP5サブ・マシンガンは、3発制限点射が可能な3バースト・トリガー・グループを装備し、F(フランス)タイプと呼ばれる厚手のラバーパッドが設けられた新型のリトラクタブル・ストックと大型のフラッシュ・ハイダーを標準装備した当時世界でも最新仕様のMP5でした。
さらに光学照準器であるダットサイト(Aimpoint社製COMP M2)の装着運用を予め想定して初公開の段階から、本品であるB&T社製のロー・プロファイル・マウントを装着した豪華仕様です。
ロー・プロファイル・マウントの大きな特徴は、薄型で小型軽量なデザインの採用により、マウントを装着した状態でも銃に標準装備されたアイアン・サイトによる照準を妨げず、光学照準器を装着しない状態でも射撃が可能なことです。

配備開始から10年以上もの間、運用されていたロー・プロファイル・マウントですが、運用上の致命的な弱点がありました。
それは、日本警察の対銃器事案において運用率の高い防弾ヘルメット装着の防弾バイザーとの併用が困難なことです。
本来、ロー・プロファイル・マウントは本体の小型軽量化だけでなく、照準線を低く抑えて装着した光学照準器と実際の照準線との視差を最小限とし、近接射撃時の命中精度を向上させる役割もあるため、ショルダー・ストックへの頬付け射撃姿勢での運用を前提としています。

しかし、防弾バイザーを使用した射撃姿勢で照準器を覗こうとすると、バイザー下端がストックと干渉するため、照準器を正確に覗くことができません。
実際に過去に公開された銃器対策部隊の対テロ訓練や実弾射撃訓練では、バイザーを跳ね上げた状態で照準を行っています。
これでは、そもそもヘルメットにバイザーを装備している意味がありません。

近距離での戦闘を強いられるCQBでは、致命部位である顔面への被弾リスクが常に付帯します。
対テロ作戦を主要任務とする警視庁SAT(特殊急襲部隊)の公開訓練では、当初からロー・プロファイル・マウントを採用せず、バイザーと併用した射撃が可能なように照準線の高いH&K純正のハイ・マウントを採用しています。
2015年、伊勢志摩サミット開催を目前に公開された警視庁銃器対策部隊の対テロ訓練や実弾射撃訓練において、従来MP5に装着していたロー・プロファイル・マウントの運用を改め、SATで運用しているタイプと同様のハイ・マウントの採用が確認されています。
また、この流れは警視庁から各都道府県警察所属の銃器対策部隊にも拡大しており、順次更新が行われているようです。

さらに2016年3月に公開された埼玉県県警察銃器対策部隊所属RATS(機動戦術部隊)の実弾射撃訓練では、ハイ・マウントに加えて欧州の対テロ特殊部隊でも採用例の多いバイザーの運用に対応したB&T社製アジャスタブル・ヘルメット・ストックの採用が確認され、MP5射撃時におけるバイザー運用のジレンマは大幅に改善されたようです。

▲レール・アダプター付きのクロウ・マウントにEOTech社製モデル511 HWS(ホログラフィック・ウェポン・サイト)を装着した状態。警視庁SATなどで運用されている構成だ。

▲クロウ・マウントは、銃のアッパー・レシーバー上部に加工されたマウント装着用の凹凸部とクロウ・マウントの爪部を咬み合わせて固定する。マウントには脱落防止用のロック機構が設けられているため、スコープなど大型の光学照準器を装着してもロッキング・レバーに触れない限り、外部からの衝撃で脱落する心配は少ない。
本品は中古品として入手しましたが、目立った傷や錆なども見受けられず良品といえる状態です。
VFC MP5シリーズには無加工で装着可能ですが、実銃専用マウントのため、実銃と規格の異なるトイガンへは装着できない場合があります。
本体重量:約400g
保管場所 「A」
出品名 「H&K社製 G3/MP5対応 20mmレール付きクロウマウント」
状態 「中古」
開始価格 「29,800円」
※上記は保管上の参考事項です。個別販売はしておりません。詳細は当ブログ概要ページをご覧ください。
日本警察特殊部隊愛好会(JP-SWAT)
架空私設特殊部隊 Team JP-SWAT
JP-SWAT on YouTube
![]() |

2016年09月10日
新潟県警・陸上自衛隊 柏崎刈羽原発において対テロ合同訓練

平成27年10月29日、新潟県柏崎市と刈羽郡刈羽村に所在する東京電力柏崎刈羽原子力発電所において、新潟県警察と陸上自衛隊による初めての合同対テロ訓練が実施されました。
訓練では、原発周辺に重武装の武装工作員(ゲリラ・コマンドウ)が上陸したとの情報を得て、警察力のみでの対応が困難と判断した総理大臣が自衛隊法に基づく治安出動を発令した状況を想定。
県警機動隊所属の銃器対策部隊の隊員約60名と上越市高田駐屯地に所在する第12旅団第2普通科連隊所属の隊員約70名が訓練に参加しました。
我が国に武装工作員が上陸し、自衛隊が治安出動して対処するという想定は、十数年前に公開された「宣戦布告」という映画(原作は小説)を想起させます。
![]() |

この作品では福井県敦賀半島に北朝鮮の潜水艦が座礁し、自動小銃やRPGなどで完全武装の工作員11名が上陸したという設定で、警察力での対処が困難と判断した政府により、自衛隊法に基づく治安出動命令を受けた自衛隊が掃討作戦を実施します。しかし、法律上の武器使用の問題点や政府関係者の弱腰な姿勢などから現場では多数の犠牲者が生まれ、有事における現行法の脆弱性を問題提起したことで大きな反響を呼びました。
なお、この作品自体も1996年に実際に発生した北朝鮮による韓国への潜水艦侵入事件「江陵(カンヌン)浸透事件」をモデルとしており、その設定は決して荒唐無稽なものではなく、工作員の上陸を許していた我が国においても現実に十分起こり得る事態といえます。
さて、せっかくなので自衛隊の治安出動について、おさらいしたいと思います。少し長くなるので、興味のない方はスルーして下さい。
この治安出動の根拠法令は、防衛出動などを定めた自衛隊法第六章「自衛隊の行動」の条文であり、
(命令による治安出動)
第七八条 内閣総理大臣は、間接侵略その他の緊急事態に際して、一般の警察力をもつては、治安を維持することができないと認められる場合には、自衛隊の全部又は一部の出動を命ずることができる。
とされています。
防衛出動が我が国に対する明白な侵略行為への対処のため、自衛権に基づく自衛隊の幅広い「武力行使」を認めたものであるのに対し(国際的に見れば事実上の戦争ないし紛争状態)、国内の治安維持を目的とした治安出動では自衛官による必要な「武器の使用」が認められているだけです。
元来、治安出動は1960年代に活発化した安保闘争運動や極左暴力集団による破壊活動の深刻化を受け、警察力では対処できない規模にまで拡大した暴動や騒擾への自衛隊出動を想定していましたが、現在では今回の訓練想定のように武装工作員(ゲリラ・コマンドウ)によるテロやゲリラ活動への対処も大きな目的となっています。
そして治安出動を命ぜられた自衛官については、自衛隊法第七章「自衛隊の権限」において
(治安出動時の権限)
第八九条 警察官職務執行法(昭和二十三年法律第百三十六号)の規定は、第七十八条第一項又は第八十一条第二項の規定により出動を命ぜられた自衛隊の自衛官の職務の執行について準用する。この場合において、同法第四条第二項中「公安委員会」とあるのは、「防衛大臣の指定する者」と読み替えるものとする。
2 前項において準用する警察官職務執行法第七条の規定により自衛官が武器を使用するには、刑法(明治四十年法律第四十五号)第三十六条又は第三十七条に該当する場合を除き、当該部隊指揮官の命令によらなければならない。
と規定され、警察官の職務権限等について定めた警察官職務執行法(警職法)上の条項全てが自衛官に準用されます。
つまり、武器の使用についても警職法第7条(武器の使用)の規定が準用され、
・凶悪犯人の逮捕又は逃走の防止
・公務執行に対する抵抗の抑止
・正当防衛若しくは緊急避難
のため必要であると認める相当な理由のある場合においては、その事態に応じ合理的に必要と判断される限度において、初めて武器の使用が許されるのです。
なお、自衛隊法の規定により、この武器の使用については、正当防衛若しくは緊急避難を除いては、部隊指揮官の命令によらなければ実行することができません。
また、治安出動時の自衛官の権限について、警職法上の武器の使用についての条項のみに注目されがちですが、法規上は警職法の全ての条項が準用されると規定しているわけですから、
・職務質問
・要救護者の保護
・避難等の措置
・犯罪予防のための警告・制止
・職務執行のための立入
についても自衛官にその権限が与えられ、刑事訴訟法上の司法警察職員がもつ司法警察権などを除き、治安出動中の自衛官は警察官に準じた行動ができることになります。
裏を返せば、警察力で対処できない事態への治安出動を命じられても、その武器使用については厳格な「警察比例の原則」に従う必要があります。
俗に治安出動命令を受けた自衛官を「軍服を着た警察官」と比喩するのはこのためです。
冒頭で紹介した「宣戦布告」において、問題となっていたのは正に警職法に準じた武器使用の規定でした。
ざっくりと自衛隊の治安出動の概要について述べましたが、防衛出動と同じく自衛隊発足から今日に至るまで自衛隊に治安出動が発令されたことは一度もありません。
それは、治安出動による自衛隊の行動が諸外国から見れば軍事力を国内の治安維持に投入するのと同義であり、国家が自国の非常事態を認めたことになるからです。
自衛隊の治安出動は、警察力の限界を超えた国内治安維持の最後の砦なのです。
今回の想定のような現実の自衛隊の治安出動に際しては、公共の秩序の維持という共同目的を達成するため、情報交換や脅威への共同対処をはじめとして、警察や関係機関との協力体制が必要不可欠です。
単純な武力では自衛隊が圧倒しますが、平素から原発の警戒警備にあたる原子力関連施設警戒隊を構成する銃器対策部隊は、原発警備の訓練や教養を受けたプロフェッショナルといえ、原発警備については門外漢の自衛隊が学ぶことも多いはずであり、その逆も然りです。
2011年に発生した福島第一原発事故は、原発の構造的脆弱性を世界に露呈すると同時に、冷却用の電源装置さえ破壊すれば、少数精鋭の工作員だけでも原子炉をメルトダウンさせ、国家を混乱に陥れることが可能なことを世界中のテロリストに証明してしまいました。
特に日本海側に面して長大な海岸線を有し、世界最大規模の原発を擁する我が県では、このような訓練を今後も積み重ね、世界的な課題となっている原発テロへの脅威など、来るべき有事に備える必要があります。
昨年のニュースになりますが、今後も過去全国で行われた同種の公開訓練については、自身の備忘録と資料化を兼ねて随時ご紹介したいと思います。

▲県機動隊所属の銃器対策部隊からは約60名の隊員が参加。平素から原発の警戒警備にあたる原子力関連施設警戒隊も同隊の隊員から選抜されている。
出動服の上から全国の銃器対策部隊でも導入されている防弾前垂れと防弾腕帯付きの突入型防弾衣を着用、頭部の防弾帽は防弾面付きのジェットタイプだ。
特殊銃と呼称されるH&K社製MP5Fには、Aimpoint社製COMP M2ダットサイトとB&T社製TL-99タクティカルライト付きハンドガードが装着されている。
他の都道府県警察では、さらに腰周りに貸与品の帯革を着用して警棒や手錠、拳銃を携帯することが珍しくないが、今回の参加部隊は帯革を着用していない。
出動服の上から全国の銃器対策部隊でも導入されている防弾前垂れと防弾腕帯付きの突入型防弾衣を着用、頭部の防弾帽は防弾面付きのジェットタイプだ。
特殊銃と呼称されるH&K社製MP5Fには、Aimpoint社製COMP M2ダットサイトとB&T社製TL-99タクティカルライト付きハンドガードが装着されている。
他の都道府県警察では、さらに腰周りに貸与品の帯革を着用して警棒や手錠、拳銃を携帯することが珍しくないが、今回の参加部隊は帯革を着用していない。

▲上越市の高田駐屯地に所在する東部方面隊隷下第12旅団第2普通科連隊から約70名の隊員が参加。柏崎刈羽原発は同隊の防衛警備担当地域である。
殆どの隊員が防弾チョッキ2型改を着用しているが、一部の隊員は2014年ころから配備が始まったばかりの最新装備である防弾チョッキ3型を着用している。
88式鉄帽に加え、市街地戦闘を想定してニーパッドとエルボーパッドを装着。主武装は89式5.56mm小銃だが、一部士官のみ9mm拳銃を携行していた。
殆どの隊員が防弾チョッキ2型改を着用しているが、一部の隊員は2014年ころから配備が始まったばかりの最新装備である防弾チョッキ3型を着用している。
88式鉄帽に加え、市街地戦闘を想定してニーパッドとエルボーパッドを装着。主武装は89式5.56mm小銃だが、一部士官のみ9mm拳銃を携行していた。

▲整列した自衛隊員と銃器対策部隊員。治安出動を命じられた自衛官には警察官職務執行法が準用されるが、警察官のように刑事訴訟法上の司法警察権
を行使することはできない。従って、私人でも可能な現行犯逮捕を除き、被疑者(暴徒やテロリスト)の逮捕拘束に関する擬律判断は、警察官(司法警察職員)
である銃器対策部隊員が行う必要がある。警察と自衛隊の相互運用上の理解を深めるこのような共同対処訓練は、現実の治安出動に際して必要不可欠だ。
を行使することはできない。従って、私人でも可能な現行犯逮捕を除き、被疑者(暴徒やテロリスト)の逮捕拘束に関する擬律判断は、警察官(司法警察職員)
である銃器対策部隊員が行う必要がある。警察と自衛隊の相互運用上の理解を深めるこのような共同対処訓練は、現実の治安出動に際して必要不可欠だ。

▲陸上自衛隊で唯一、空中機動力を高めた即応近代化旅団である第12旅団は、ヘリコプターを駆使したヘリボーン戦術による緊急展開能力を重視している。
今回の訓練では、北宇都宮駐屯地に所在する第12ヘリコプター隊第1飛行隊所属のUH-60JAブラックホークが銃器対策部隊の人員輸送を実施した。
今回の訓練では、北宇都宮駐屯地に所在する第12ヘリコプター隊第1飛行隊所属のUH-60JAブラックホークが銃器対策部隊の人員輸送を実施した。

▲降着したUH-60JAから完全武装した銃器対策部隊の隊員8名が一斉に飛び降りる。迷彩塗装の自衛隊機から、機動隊員が現れるのは異色の光景だ。
1機40億円近い高額から陸上自衛隊における保有数も40機に満たないUH-60JAを使用して訓練ができるのは、県警にとっても貴重な機会だろう。
1機40億円近い高額から陸上自衛隊における保有数も40機に満たないUH-60JAを使用して訓練ができるのは、県警にとっても貴重な機会だろう。

▲ヘリを離れた8名の隊員は隊列を組み、全方位を警戒しながら駆け足で車両待機位置まで移動する。

▲伸縮式銃床が伸ばされたMP5は、射撃待機姿勢のロー・レディーないしハイ・レディーの位置で構えられ、脅威があれば直ちに制圧射撃が可能な状態だ。

▲防弾帽の防弾面は跳ね上げられているが、これはMP5の銃床を使用した頬付け姿勢での精密射撃を直ちに行えるよう想定したためと思われる。

▲防弾前垂れや防弾腕帯の標準装備された近接戦闘向け突入型防弾衣の導入により、各都道府県警察が保有する銃器対策部隊の印象は大きく変わった。
近接戦闘に必須であるダットサイトやタクティカルライトを装着したMP5の運用もあって、装備だけを見れば諸外国の警察特殊部隊と大きな差異はない。
近接戦闘に必須であるダットサイトやタクティカルライトを装着したMP5の運用もあって、装備だけを見れば諸外国の警察特殊部隊と大きな差異はない。

▲側道に待機中の機動隊の大型人員輸送車に足早に乗車する隊員。乗車口付近では、部隊の乗車完了まで2名の隊員がMP5を構えて周囲を警戒する。

▲完全武装の銃器対策部隊員を乗せた人員輸送車は、原発施設に向けて直ちに発進する。

▲自衛隊機による人員輸送訓練の詳細想定は報道されていないが、実際の治安出動では原発に常駐している原子力関連施設警戒隊の増援部隊として、
新潟市から銃器対策部隊を自衛隊機で輸送する想定が考えられる。当然、県警もヘリを運用しているが、完全武装の隊員を複数輸送可能な中型機は2機
のみで、定期整備による運航停止や人命救助任務による出動を考慮すると常に県警のヘリが使用できるとは限らず、自衛隊機という選択肢も必要となる。
新潟市から銃器対策部隊を自衛隊機で輸送する想定が考えられる。当然、県警もヘリを運用しているが、完全武装の隊員を複数輸送可能な中型機は2機
のみで、定期整備による運航停止や人命救助任務による出動を考慮すると常に県警のヘリが使用できるとは限らず、自衛隊機という選択肢も必要となる。

▲県警のパトカーが自衛隊車両を先導する訓練も実施された。道路交通法施行令により、緊急自動車である警察用自動車に誘導されている自動車は
緊急自動車とみなされ、緊急自動車指定を受けていない自衛隊車両でも緊急走行が行えるため、治安出動においても迅速な現場臨場が可能となる。
緊急自動車とみなされ、緊急自動車指定を受けていない自衛隊車両でも緊急走行が行えるため、治安出動においても迅速な現場臨場が可能となる。

▲装甲車両として、第2普通科連隊所属の軽装甲機動車及び82式指揮通信車が参加した。

▲自衛隊車列の後続は偵察オートバイが並び、車列の殿を緊急走行が可能な機動隊の特型警備車が務めることで、緊急走行の完結性を保っている。
日本警察特殊部隊愛好会(JP-SWAT)公式サイト
![]() |

2016年09月05日
B&T Aimpoint Low Profile Mount For MP-5 SMG BT-10266 #01

軍・法執行機関向け銃器カスタム・パーツの製造で有名なスイスに拠点を置く銃器関連製品メーカー“B&T(Brügger & Thomet)AG”社製のMP5 SMG専用ロー・プロファイル・マウント(Low Profile Mount For MP-5 SMG BT-10266)です。
近年、同社はサウンド・サプレッサーなどのカスタム・パーツ分野だけでなく、その経験を活かして独自設計したAPC(Advanced Police Carbine)シリーズをはじめとして、軍・法執行機関向けの銃器製造にも力を注いでおり、その事業規模を拡大しています。

B&T社は創設当初から各国の軍・法執行機関で採用率の高いMP5シリーズをはじめとしたH&Kウェポン向けマウント・レールやハンドガード、ショルダー・ストック、サウンド・サプレッサーなどの周辺カスタム・パーツを多数ラインナップしており、世界各国の代理店を通じてHKウェポンを運用する戦術部隊に製品を納入しています。
我が国にも同社の代理店が置かれており、各都道府県警察警備部機動隊所属の銃器対策部隊をはじめ、MP5を大量運用する警察機関において、ライト付きハンドガードやレール・システム、光学照準器用のマウントなど、複数の同社製品の採用が確認できます。

本品は、銃器用光学照準機器メーカーであるAimpoint(エイムポイント)社が自社ブランドでB&Tに製造を委託したOEMバージョンですが、印字されたロゴ以外の仕様はB&Tブランドで販売されていた製品と同一です。
MP5シリーズだけでなく、同様のマウント規格を有するG3シリーズ、HK33シリーズへの装着運用が可能です。
現在、本品と同じ同社の製品ナンバー“BT-10266”は、スロット部分などに若干の設計変更が加えられ、Aimpoint社製の小型ダット・サイトである“Micro(マイクロ)”シリーズ専用モデルとなっており、日本警察採用デザインの旧型モデルの製造は終了しています。

▲本体は軽量なアルミニウム製、銃への固定に用いる部品など強度の必要なパーツのみスチール製だ。販売元の光学照準機器メーカーであるAimpointのロゴが印字されているが、製造はB&Tである。

▲マウントに刻まれたスロットは1本のみのため、20mm幅のピカティニー規格に対応したマウント・リング1個のみ装着可能で、Aimpoint COMP M2などに対応しているが、EOTech社製のHWS(ホログラフィック・ウェポン・サイト)などは装着できない。

▲MP5アッパー・レシーバーへの固定は、六角レンチを用いてマウントの背面4箇所に設けられた鉤爪を調整して行う。

▲マウントの取付け手順について記載された付属のペーパー・マニュアル
2002年のFIFAワールドカップ開催に伴う警備力強化を目的に、警察庁が全国の銃器対策部隊に大量配分したH&K社製MP5サブ・マシンガンは、3発制限点射が可能な3バースト・トリガー・グループを装備し、F(フランス)タイプと呼ばれる厚手のラバーパッドが設けられた新型のリトラクタブル・ストックと大型のフラッシュ・ハイダーを標準装備した当時世界でも最新仕様のMP5でした。
さらに光学照準器であるダットサイト(Aimpoint社製COMP M2)の装着運用を予め想定して初公開の段階から、本品であるB&T社製のロー・プロファイル・マウントを装着した豪華仕様です。
ロー・プロファイル・マウントの大きな特徴は、薄型で小型軽量なデザインの採用により、マウントを装着した状態でも銃に標準装備されたアイアン・サイトによる照準を妨げず、光学照準器を装着しない状態でも射撃が可能なことです。

配備開始から10年以上もの間、運用されていたロー・プロファイル・マウントですが、運用上の致命的な弱点がありました。
それは、日本警察の対銃器事案において運用率の高い防弾ヘルメット装着の防弾バイザーとの併用が困難なことです。
本来、ロー・プロファイル・マウントは本体の小型軽量化だけでなく、照準線を低く抑えて装着した光学照準器と実際の照準線との視差を最小限とし、近接射撃時の命中精度を向上させる役割もあるため、ショルダー・ストックへの頬付け射撃姿勢での運用を前提としています。

しかし、防弾バイザーを使用した射撃姿勢で照準器を覗こうとすると、バイザー下端がストックと干渉するため、照準器を正確に覗くことができません。
実際に過去に公開された銃器対策部隊の対テロ訓練や実弾射撃訓練では、バイザーを跳ね上げた状態で照準を行っています。
これでは、そもそもヘルメットにバイザーを装備している意味がありません。

近距離での戦闘を強いられるCQBでは、致命部位である顔面への被弾リスクが常に付帯します。
対テロ作戦を主要任務とする警視庁SAT(特殊急襲部隊)の公開訓練では、当初からロー・プロファイル・マウントを採用せず、バイザーと併用した射撃が可能なように照準線の高いH&K純正のハイ・マウントを採用しています。
2015年、伊勢志摩サミット開催を目前に公開された警視庁銃器対策部隊の対テロ訓練や実弾射撃訓練において、従来MP5に装着していたロー・プロファイル・マウントの運用を改め、SATで運用しているタイプと同様のハイ・マウントの採用が確認されています。
また、この流れは警視庁から各都道府県警察所属の銃器対策部隊にも拡大しており、順次更新が行われているようです。

さらに2016年3月に公開された埼玉県県警察銃器対策部隊所属RATS(機動戦術部隊)の実弾射撃訓練では、ハイ・マウントに加えて欧州の対テロ特殊部隊でも採用例の多いバイザーの運用に対応したB&T社製アジャスタブル・ヘルメット・ストックの採用が確認され、MP5射撃時におけるバイザー運用のジレンマは大幅に改善されたようです。
本品は未使用品として入手し、全体的に新品に近い状態です。
実銃専用マウントのため、実銃と規格の異なるトイガンへは装着できない場合があります。
紙箱と説明書が付属します。
なお、一時期“Aimpoint”のロゴが印字されたOEMバージョンである本品のレプリカ品が中華系メーカーより安価で販売されていましたが、トイガン装着向けのレプリカとは異なり、B&T社製の実物マウントはアッパー・レシーバーのマウント・スロット部位形状が実銃と微妙に異なる東京マルイMP5シリーズ及びVFC MP5シリーズなどには装着できません。大手メーカーのトイガンに無加工で装着可能な製品は、レプリカ品の可能性が高いのため、購入の際はご注意ください。
保管場所 「A」
出品名 「日本警察採用型 B&T MP5 マウント 実物」
状態 「中古(未使用)」
開始価格 「19,800円」
日本警察特殊部隊愛好会(JP-SWAT)公式サイト
![]() |

2016年02月02日
PROTECH Delta 3 Ballistic Helmet








米国の大手防弾装具メーカーのひとつであるプロテック・アーマード・プロダクツ(現プロテック・タクティカル)社製の“Model 775 Delta 3 バリスティック・ヘルメット”は、 1980年代に米軍で制式採用され、1990年代から世界的に主流になったPASGT(Personnel Armor System for Ground Troops:地上部隊個人防護システム)ヘルメットのアウターシェルデザインに倣い、 抗弾性能の向上と軽量化を図った対テロ特殊部隊や警察SWAT向けの防弾ヘルメットです。
アウターシェル本体は軽量な高性能アラミド系繊維のマルチレイヤーで成形され、アーマー・ピアッシング(徹甲弾)などの特殊弾薬を除き、 サブマシンガンなどから発射される高初速の9㎜パラベラムFMJ弾や.44マグナム弾など大抵の拳銃弾の貫徹を防ぐNIJ規格レベルIIIAの抗弾能力を有しています。
インナーデザインには、安定性と快適性に優れた3ポイント・アジャスタブル・サスペンション・システムを備え、 前頭部と後頭部が接する箇所には着弾時の衝撃を吸収するショック・アブソービング・フォームパッドが設けられています。
当時主流であった軍用のPASGTヘルメットよりも軽量で高い抗弾性能を誇ったCQBオペレーション向けのDelta 3は、1990年代後半から2000年代前半にかけて全米の警察SWATをはじめとした各種法執行関係機関や米軍の一部特殊部隊にも採用され、米海軍所属のNavy SEALsにおいても使用が確認されています。
また、同社の製品は各国の法執行関係機関向けにも広く販売され、静岡県警察SRPなど日本の各都道府県警察警備部に所属する銃器対策部隊や刑事部に所属するSIT(特殊捜査班)をはじめとした警察特殊部隊においても“Delta 3”を含む同社の製品の採用が確認されています。
本品の詳細な解説は“日本警察特殊部隊(JP-SWAT) 装備資機材>ヘルメット>プロテック デルタ 3 バリスティック・ヘルメット”をご覧ください。
全体的に実戦未使用に近い美品です。当然ながら防弾性能の保証はいたしません。
保管場所 「A」
出品名 「警視庁SIT採用 PROTECH デルタ3 防弾ヘルメット」
状態 「中古」
開始価格 「19,800円」
日本警察特殊部隊愛好会(JP-SWAT)公式サイト
![]() |

2016年01月30日
新潟県警察 銃器対策部隊の実弾射撃訓練を初公開

平成28年1月26日(金曜日)、新潟県警察は新潟市西区に所在する県警察学校において、銃器対策部隊によるサブマシンガンの実弾射撃訓練を初めて報道陣に公開しました。
本年5月に開催される第42回先進国首脳会議(伊勢志摩サミット)や5年後の東京五輪に向け、昨年から警視庁をはじめとした各都道府県警察が警備実施に向けた各種訓練を積極的に公開しています。
特に昨年末は、警視庁が対テロ特殊部隊である特殊急襲部隊(SAT)や銃器対策部隊の実弾射撃訓練を次々と公開し、その充実した警備能力を国内外にアピールすることで重大テロ発生の抑止力を強化しています。
そして我が故郷、新潟県においてもサミット関係閣僚会合のひとつとして本年4月23日から24日の間、新潟市で農業大臣会合の開催が予定されています。
当然、我が県でも農業大臣会合の開催に向け、新潟県警察の総力を挙げて各種テロ対策に取り組んでおり、その一環が今回の銃器対策部隊による実弾射撃訓練の公開というわけです。

今回の訓練に参加したのは、重大テロ対応の中核を担う警備部機動隊に所属する銃器対策部隊の男性隊員5名。
機能別部隊のひとつである銃器対策部隊は、凶悪銃器犯罪への対応や原子力発電所をはじめとした重要防護施設の警戒警備などを主要任務としています。
本格的な対テロ特殊作戦任務を担うSATの編成されていない新潟県警察では、事実上この銃器対策部隊が対テロ特殊部隊としての初動的役割を果たします。
発電量で世界最大規模の東京電力柏崎刈羽原子力発電所の警戒警備にあたる原子力関連施設警戒隊もこの銃器対策部隊所属の隊員から選抜されており、昨年も同所における陸上自衛隊との合同訓練に今回の銃器対策部隊が参加しています。

訓練に参加した隊員の個人装備は、他の都道府県警察に編成されている銃器対策部隊と同様です。
出動服の上から防弾腕帯付きの突入型防弾衣を着用し、両膝にはニーパッドを装着、頭部には防弾面付きのジェットタイプの防弾帽を被っています。
他の都道府県警察では、さらに腰周りに一般の制服警察官が装備しているものと同様の帯革を着用して警棒や手錠、拳銃を携帯することが多いのですが、今回は帯革を着用していません。
また、昨年に警視庁が公開した銃器対策部隊の隊員が全員素顔丸出しだったのに対して、こちらは全隊員が特殊部隊のように黒いバラクラバを着用し、素顔を秘匿しているのが印象的です。

主要武装は2002年のFIFAワールドカップ開催に伴う警備力強化を目的に、警察庁が全国の銃器対策部隊に大量配分したH&K社製MP5Fサブマシンガン。
3発制限点射が可能な3バースト・トリガー・グループを装備し、F(フランス)タイプと呼ばれる厚手のラバーパッドが設けられた新型のリトラクタブル・ストックと大型のフラッシュ・ハイダーを標準装備。
さらに光学照準器であるダットサイトの装着運用を予め想定して、B&T社製のロープロファイル・マウントベースが装着されている豪華仕様です。
導入当初は旧態依然とした日本の警察もいよいよ公然とサブマシンガンを運用する時代になったと専門誌でも特集が組まれるほど騒がれたのですが、今ではすっかりスタンダードなお馴染みの装備となりました。
なお、日本の警察では一般の警察官が装備する拳銃と区別するため、機動隊などで運用するライフルや機関拳銃を総じて「特殊銃」と呼称しています。

今回の公開訓練では、弾抜けを行った状態での基本動作訓練と実弾を使用した実射訓練を披露しました。
こちらは弾抜けを行った状態での立射(立撃ち)の基本動作訓練の様子。

B&T社製のロープロファイル・マウントベースには、光学照準器としてAimpoint社製のCOMP M2ダットサイトが装着されています。
フォアアーム部分に装着されているウェポンライトは、警視庁をはじめとして全国の銃器対策部隊で標準装備となっているB&T社製のTL-99です。
装着されているスリングは、MP5Fが全国配備された当初から使用されているスタンダードなH&K純正の3点式スリングです。

照準線の低いロープロファイル・マウントベースを装着していることから、アイアンサイト使用時と同じくストックに頬付けする必要があるため、顔面を防護する防弾面を跳ね上げて射撃を行います。
これではせっかくの防弾面を装備している意味がありません。ハイリスクエントリーをはじめとした銃撃戦では顔面への被弾という大きなリスクを伴います。
ちなみに警視庁の銃器対策部隊では標準装備だったロープロファイル・マウントベースの装着をやめ、SATが運用しているものと同じハイマウントベースを装着することで、この問題を解決しています。
当県でも是非ともハイマウントベースを導入してほしいですね。

膝射(膝撃ち)の姿勢による実弾射撃訓練の様子。横一列の射撃線に5人の隊員が並びます。
射座は1的から15的まであり、標的の背面の弾丸を受ける鋼鉄製の傾斜版には、緑色の塗装が剥離した生々しい無数の弾痕が確認できます。
この傾斜版に弾丸が直撃すると、弾丸は運動エネルギーを失い、砕けた金属片が地面に落下するという仕組みです。

機械制御されて回転する15m先の標的を狙います。
標的はナイフを振りかざす被疑者を模した実戦的な人像標的を使用しています。

射撃の号令がかかると、標的は反転して3秒間だけ射手と正対します。
この3秒の間に射手は銃を構えて照準をつけ、1発だけ正確に射撃を実施しなければなりません。
このサイクルが機械制御で5回繰り返されるため、1回の射撃訓練で計5発の弾丸を標的に撃ち込むことになります。
射撃場内には、9mmパラベラム弾の乾いた銃声が反響します。

射撃後の標的を観察すると、警視庁SATの実弾射撃訓練時と同じく、弾痕は全て究極的致命部位である顔面に集中していました。

射撃終了後、「安全装置よし」の復唱と共に安全装置の単発位置を安全位置に戻します。

昨年末のパリ同時多発テロ事件のように、近年の残忍なテロリズムの数々をはじめとして日本を取り巻く国際情勢は厳しさを増しています。
世界最大の原子力発電所や大型港湾施設、北朝鮮工作員や破壊工作を目的としたゲリラコマンドの上陸が予想される長大な海岸線を抱える新潟県において、これらの各種事案に対応する彼らは正に新潟県治安維持の最後の砦とも言えます。
本年開催されるサミットの全日程が無事終了することを祈願しております。
それでは!
![]() |
